胸膜肥厚とは?
健康診断で胸膜肥厚を指摘される場合、「肺尖部(胸膜肥厚)」と記載されていることがあります。肺尖部とは、肺の頭、てっぺんの部分を指します。レントゲンを撮影したときに、病気ではないにしても、胸膜肥厚と判定されることの多い部分です。
肺のてっぺんの胸膜が肥厚していることを「肺尖胸膜肥厚」や「肺尖部胸膜肥厚」、あるいは「apical cap(肺尖部の帽子)」のように表現します。前二者が正常と異常の区別なく用いる表現なのに対して、「apical
cap」には、病的な異常は乏しいというニュアンスも含んでいるように思います。左右の肺、両方ともに尖端が肥厚している場合によく用いられます。
また、胸膜肥厚を健康診断で指摘された場合、その原因は「知らないうちに肺結核にかかっていたのかも」という説明をされることがあります。BCGワクチンの接種を受けていないにも関わらず(あるいはワクチンの接種から20~30年以上経ってから)ツベルクリン反応が陽性のときには、胸膜肥厚の原因として肺結核の自然治癒後であることをを可能性としては考えておく必要もあります。ただし、実際のところは結核菌が原因ではない、一般的な炎症による瘢痕ということも多いと思います。
(注意)日本は結核の低蔓延国です。「低」というと誤解を生むかもしれませんが、結核は根絶された病気ではないことは留意しておきましょう。
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