新型インフルエンザ(院内レクチャーより)
先日、病院職員を対象にしたレクチャーを行いました(私的見解を含んでいます)。
最初に、従来のインフルエンザ(以下季節性インフル)と新型インフルエンザの
違いをまとめた表を提示します。
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季節性インフル |
新型インフル |
抗原 |
A型 H1N1(Aソ連)
H3N2(A香港)
B型
C型…臨床的に問題になることは少ない |
A型(H1N1亜型) |
簡易検査
(陽性率) |
A型であれば90%以上で陽性
(発症初期には陰性となることも) |
発症から時間が経っても陽性率が低い
(40~70%) |
流行期 |
主に冬季を中心
(地域によっては6月頃まで流行することも) |
夏季を中心? |
感染ルート |
飛沫感染が主と考えられている
(一部に接触感染・空気感染の可能性)
空気感染を生じうるネブライザーは原則禁止
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抗ウイルス作用
あるいは有用性が
示されている薬剤 |
(アマンタジン→現在は耐性株が多い)
タミフル®
リレンザ®
麻黄湯 |
タミフル®
リレンザ® |
その他、併用することのある薬剤(例) |
・解熱鎮痛剤
(小児ではアセトアミノフェンのみ使用可)
・ムコダイン®(去痰薬)
・抗菌薬(主にニューキノロン系) |
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ワクチン |
重症化を防ぐことが確認されている
大多数が接種すれば、
流行そのものを予防することも期待される
(個人単位での予防効果は小さいが、老人保健施設などで、職員を含めて全員が接種すれば流行を抑制する可能性がある) |
新規開発されたワクチンであるため、予防効果については今後の検討が必要。ただし、有効性を示すデータは示されつつある |
推定致死率
(※後述) |
約0.02% |
0.4% |
次のページでは、ワクチン・致死率の示す問題についてご説明します。
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