白鯨の健康日記 筆者:吉國友和  update:2009.7.29 
           

スズメバチの対策と応急処置


その1:アレルギーはなぜ起こる?
その2:クマバチ、クマンバチ?
その3:スズメバチに刺されたときの応急処置、エピペン®
その4:スズメバチを捕らえる罠(参考)


ハチに刺されたときの応急処置
スズメバチ
スズメバチの体長は約4cm前後、ミツバチよりも一回り大きめです

ハチに刺されたときには、できるだけ毒が体内に入らないように、傷口から毒を排除すべきですので、傷口を周囲から圧迫して、搾り出すようにしながら洗い流してください。水で洗うことで冷却することになりますので、痛みを和らげる効果もあります(口で毒を吸い出そうとするのは、やめておいたほうが無難です。虫歯や傷口から毒が入ってしまうおそれがあります)。

また、万が一、ハチに刺されてアナフィラキシーが出現した場合には、一刻も早く救命処置を行う必要があります。ところが、救急車の到着までに時間を要することも稀ではありません。こうした場合の対処法として、一般の方でも扱うことのできる緊急用のアドレナリン注射(商品名:エピペン)が販売されています。

アドレナリンには気管支拡張作用や血圧上昇作用がありますので、緊急時に自分で注射をすることで、一時的にアナフィラキシー・ショックの症状を和らげる効果が期待されます。山登りが趣味の方など、ハチに遭遇する機会の多い場合には、お守りとして持っておくといざというとき役に立つかもしれません。


エピペン®の特徴

エピペン®の処方と使用については、必ず処方を行う医師より説明を受ける必要があります。個人的に印象に残っていることをまとめると、次のような特徴があります。

  • 保険が使えない(全額自己負担)
  • 1回目の受診時に説明を聞き、2回目の受診で処方が可能(処方までに複数回の受診が必要)
  • 使用期限が定められている(約1年間)
  • 使用機会がなければ破棄すること(処方された医療機関に依頼しても良い)
  • 症状の出現から30分以内に注射することで致死率が低下(医療機関への搬送は絶対に必要)
  • 大腿部に押し当てて使用(緊急時はズボンの上から行われた例も)
  • 使用後も薬液が残っているように見えるが、再使用はできない(適切な量が注射されるので、それ以上使用しようとしても針を刺すだけになってしまう)


注意:エピペン®は、講習を受けた医師による処方が必要です。保険適応とはなっていないため、全額自己負担となります。医療機関によって若干差がありますが、概ね1万5千円ぐらいです。


次のページは、スズメバチを捕らえるための罠の作り方です。


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