蛋白尿(尿タンパク)と言われたら・・・?
その1:泡立つ尿はタンパク尿?
その2:慢性腎臓病とは
その3:尿タンパクの対策
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蛋白尿」が正式な医学用語ですが、ここではあえてタンパク尿・尿タンパクなどと記載します。
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タンパク尿を放っていませんか? |
「尿にタンパクが出ていますね。」
「そうですか。」
「まぁ、経過をみましょう。」
……で、終わっていませんか?
前ページに書いたように、前日の激しい運動など、ちょっとしたことで尿にタンパクが出てしまいます。このため、わずかな異常であれば、そのまま「経過観察」ということになると思うのですが、この「経過観察」というのは放っておいても良いという意味ではありません。
「経過観察、経過をみる」という言葉のニュアンスがわかりづらいかもしれません。医学で用いる「経過観察」とは、時間経過を追うことで、異常の有無や病勢の推移をしっかりと確認することです。
尿タンパクはその原因によって次の3つに大別されます。腎臓の機能が低下して蛋白を再吸収できないという場合、前立腺や尿路からの蛋白の分泌が過剰になっている場合、体内でたんぱく質が過剰に作られているという場合です。
- 糸球体性……糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、膠原病、糖尿病性腎症など
- 尿細管性……間質性腎炎、重金属中毒(水銀・カドミウムなど)、移植腎拒絶反応など
- 溢流性……多発性骨髄腫、横紋筋融解症など
最近ではこうした原因に関わらず、尿蛋白を含めて腎臓疾患を示す所見の存在や、中等度以上の腎機能低下(GFR<60)が3ヶ月以上続く場合に
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)
と呼ぶようになりました。慢性腎臓病が進行すると、透析が必要になることもあります。尿蛋白だけであれば早期の段階かもしれませんが、尿蛋白が陰性の人と比べると2倍以上の速さで腎臓の機能が低下するとも考えられています。試験紙法によって尿蛋白陽性(2プラス以上)と判定された人では、特に注意が必要です。
次のページは、尿タンパクの対策についてです。
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