蛋白尿(尿タンパク)と言われたら・・・?
腎臓の糸球体でろ過されて尿の中に出てきたタンパク質は、尿細管でそのほとんどが再吸収されます。実際に排出される尿の中にはごくわずかしか出てきません(多くても100mg
/ 日)。
ところが、腎臓の機能が低下して、再吸収する機能が十分に働くことができなくなると尿に蛋白が出てきます。蛋白尿は腎臓に病気がないか見つけるため、あるいは病気があった場合にはその経過を見ていく上でのバロメーターとも言えます。
ただし、健康な状態にあっても、尿の中にタンパク質が検出されることがあります。検査の前日に、次のような状況にあったときです。
- 激しい運動をしたとき
- 熱が出たとき
- たんぱく質を多く含む食事をしたとき
- 暑いお風呂に入った翌日
このような病的ではない蛋白尿を、生理的蛋白尿と呼びます(補足参照)。
尿は正常でも多少なりとも泡立ちます。これは洗剤と同じような表面活性剤の成分を含んでいるからです。尿の中にタンパクが含まれていると、泡立つのが目立つようになります。
尿を放っておいて、しばらくしても泡が消えないようであれば、尿蛋白が多く含まれている可能性があります。ただし、尿に含まれるタンパクが微量だと肉眼で見てもわかりません。
次のページでは、慢性腎臓病という病気のついての概念を解説します。
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