冬の入浴、浴室に潜んだ危険
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熱いお湯につかってゆっくり・・・湯冷めをしないように
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冬の寒さは急病を招いてしまうことがあります。その中でも生命に影響を与える重大な血管障害(心筋梗塞・脳卒中)は、低気温そのもの、あるいは室内外の気温差が刺激となって血管を収縮させるために、血圧の急上昇や血液の流れが悪くなることも原因となります。
こうした病気による冬場の突然死は、特に午前中、一日の中でも体が十分に活動していない寒い時間帯に起こりやすいという特徴があります。早朝に運動をされる方もいらっしゃると思いますが、この季節はあまり無理をしないでください。
家庭(家屋)の中でも温度変化が起こりやすい場所があります。その1つが浴室(入浴時)の事故です。
インフルエンザや風邪をひきやすい季節ですから、こうした感染症を予防するために入浴によって清潔を保つことは大切です。しかし、冬の浴室というのは、他の部屋(リビング)と比べると室温が低くなっており、衣服による保温効果もなくなるため、温度差がそのまま体への負担となります。
特に一番風呂では、乾燥した冷気にさらされてしまうと急激な血圧の変動が生じることもあります。こうした浴室に入る際の急激な温度変化を避けるためには、
- できるだけ日中、早い時間帯に入浴を済ませてしまう
- 入浴の10~15分前に、浴室の床・壁面にお湯(湯温プラス2~3℃)をかけておく
- (血圧や心臓の持病のある場合には、一番風呂を避ける)
こうした準備をしておきましょう。少々お金はかかりますが、浴室床暖房も温度差を解消するには有効な手段です(以前に某住宅メーカーの方からいただいたのですが、浴室床暖房によって血圧の変動が減少したという研究データもあるようです)。
次のページでは、湯上りの立ちくらみについてご説明します。
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