白鯨の健康日記 筆者:吉國友和  update:2010.8.12 
           

 

肺炎球菌ワクチンの有効期間と再接種


その1:肺炎を予防する方法

その2:肺炎球菌ワクチンの接種対象者

その3:肺炎球菌ワクチンの有効期間・再接種



肺炎球菌ワクチンの効果が出るまで・持続期間・再接種
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチンは、
1回の接種で約5年間有効です。

個人差もあるのですが、肺炎球菌ワクチンは接種してからおよそ1ヶ月ぐらいで効果が現れ、それから5年間ほど効果が続くと考えられています。このため、効果を持続させるためには、5年後に再接種を行う必要があります。

予防接種全般について言えるかもしれませんが、肺炎球菌ワクチンを同じ部位に接種を繰り返すと、その部位の痛みや腫れが強くなることがあります。BCGについても同様の反応がおこることが知られており、「ブースター効果」と呼ばれています。このため、効果が切れるというだけではなく、局所の副反応を予防するためにも、肺炎球菌ワクチンの再接種には5年間あけたほうが無難とも言えます。

肺炎球菌ワクチンを再接種した場合でも、抗生物質の効かない耐性菌とは無関係に体内の免疫反応を高めますので、効果は同じように期待できます。


肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチン

肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンは、原則として6日以上間隔をあけます。ただし、医師の許可がある場合には、同時に接種することも可能とされています。インフルエンザや風邪といった感染症の流行しやすい冬季に、肺炎球菌ワクチンを希望される方が急増して、病院の在庫がなくなったという経験をしたことが何度かあります。


インフルエンザワクチンは数か月(ワンシーズン)のみ有効ですので、接種希望者が集中するのは当然ですが、

肺炎球菌ワクチンの持続期間は5年間、いつ接種しても効果に大差はありませんから、穏やかな季節(風邪のはやっていない時)にこそ接種すべき

かと思っています。接種を予約したのにワクチン不足で数カ月先……という事態も回避できます。体調を崩してからでは効果が発揮できませんから、シーズンオフというのも変な表現ですが、気候が温暖なうちに肺炎球菌ワクチンを接種しましょう。


1 / 2 / 3
前のページ                    次のページ