白鯨の健康日記 筆者:吉國友和  update:2009.7.23 
           

夏風邪はなぜ長引くのか?


その1:夏風邪の特徴
その2:夏風邪をひきやすい生活習慣
その3:夏風邪の治療


夏風邪をひきやすいのは生活習慣が原因だった?!
クーラー病と夏風邪
職場の冷房が効きすぎて風邪をひいたことはありませんか?

夏風邪をひきやすいという方の中には、生活習慣が関わっていることもあります。例えば、ウイルスが侵入する主な部位である、のどや鼻の粘膜は免疫によって守られていますが、エアコンや扇風機などであまりに乾燥してしまうと、それだけで局所的な免疫力低下を引き起こす可能性もあります。よく言われる「クーラー病」の中には、夏風邪も混ざっているかもしれません。

また、涼しい室内から暑い屋外に出ることによって生じる急激な温度変化は、体温を一定に保とうと機能している自律神経のバランスまでも崩してしまいます。更に、夏ならではの免疫力低下の原因として、熱帯夜の寝不足、夏バテ(暑気)による食欲不振、日焼けまでもが関わってくる可能性があります。このため、本来の風邪の流行する冬よりも、むしろ夏に風邪をひきやすい、という人もいらっしゃるのではないでしょうか。


当然、栄養バランスの偏りも問題となります。お昼はそうめんだけ……という人、ご用心を。

二次感染によって夏風邪が悪化
夏風邪をこじらせて声が出ない
こじらせると、一時的に声が出なくなってしまうことも(カラオケで歌いすぎました、という人も……)

診療の場では、

「夏風邪をひいて、一度は治りかけたのにまた悪くなった」

というお話もよく聞きます。普通の風邪は、1週間以内に鼻や喉の症状が治まって回復しますが、治りかけた頃に別の夏カゼウイルスにかかってしまい症状が重くなる、あるいは、別の細菌(ばい菌)によって炎症が悪化してしまうことがあります。これは二次感染とも呼ばれます。


普通の風邪は1週間もすれば自然に治りますが、こじらせて肺炎を起こしてしまうこともありますので、あまりに症状が長引く場合にはレントゲンや血液検査などで二次感染を起こしていないか、あるいは結核が肺がんなどの病気が隠れていないかを確認します(喫煙者の方は禁煙することも大切です)。


次のページでは、夏風邪の対策についてご説明します。


1 / 2 / 3
前のページ                    次のページ