白鯨の健康日記 筆者:吉國友和  update:2010.1.7 
           

こたつで寝ると風邪をひくのはナゼ?


その1:こたつで寝ると風邪をひく?

その2:実はすでに……!

その3:ウイルスの攻撃力と人間の防御力



こたつで寝る前からすでに風邪をひいていた!
こたつから布団へ・・・でも
すでに風邪をひいていた?!

こたつで寝ると風邪をひく訳、実は忘れてはならないのが、風邪の原因となるウイルスの潜伏期間です。

例えば、風邪と同じウイルス感染症であるノロウイルスは、口から侵入すると、早いときには15時間もすれば便の中に排出されることが知られています。しかし、実際に感染したときの症状が出現するのは、1~2日後ぐらいです。このように、ウイルスの侵入から症状が出現するまでには時間がかかります。

ウイルスの侵入から症状が出現するまで、感染が成立するまでの時間を「潜伏期」と呼びます。 この潜伏期に着目していただきたいのですが、一般的な冬季の風邪の原因となるウイルスの潜伏期が1~数日間程度であることを考慮すると、こたつで短時間眠ってしまったとしても、起きてすぐに風邪の症状が出現するのはつじつまが合いません(※こたつで風邪をひく理由を、前もって早期・後期にわけたことを確認してみてください)。


つまり、「こたつで眠って風邪をひく」のではなく、そもそも風邪のウイルスによって体調が悪くなりつつあるため、もしくは疲労困憊(こんぱい)で思わず眠ってしまい、目を覚ますと風邪の症状が表面化した、とは考えられないでしょうか?


こたつで寝るのは避けるべき……?

こたつで眠った後で風邪の症状が出現する理由を考えてみましたが、いかがでしたか。ただ、ある人がこたつで眠った時に風邪をひいたとして、今回の1つ1つの理由を検証することはなかなか難しいと思います。特に、3つ目の理由である「すでに感染していたから」ということは実際にも相当あるようにも思いますし、これを除外できないことには、こたつで眠ってから風邪をひきやすかったのか、統計を取って証明するということもできません。

いずれにしても、こたつで眠ることによる弊害は他にもあります(※)から、できるだけこたつで寝ないようにしましょう、という結論です。


(※)例えば、背中や腰が痛くなるなど。これは、狭いこたつの中で十分な寝返りを打つことができなくなり、筋肉・関節への負担となるためです。



次のページは、冬の風邪のウイルスについての補足です。


1 / 2 / 3
前のページ                    次のページ