こたつで寝ると風邪をひく?
その1:こたつで寝ると風邪をひく?
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こたつで眠ると本当に風邪をひきやすいのか? |
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気持ちよいからといって、こたつで眠ってしまうと・・・?
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昔から「こたつで寝ると風邪をひく」あるいは「こたつで眠ると風邪をひきやすい」と言われます。これは本当のことでしょうか? 結論から言うと、こたつで寝てしまったことで風邪をひく可能性は、十分にあります。正確には
「こたつで眠ってから目が覚めた時、あるいは次の日に風邪の症状に気がつく(気がついた)」
と書いたほうがよいかもしれません。昔ながらの言い伝えには、それなりの理由があります。これを説明するためには、こたつで眠った後で風邪の症状が出現する時期を、早期(うたた寝の直後)と後期(うたた寝をした後、きちんと布団で眠った翌朝)に分けて考える必要があります。
次の3つのうち、初めの2つが後期(こたつで眠った翌日以降)に風邪をひいてしまう理由、3つ目が早期(うたた寝をした直後)から風邪の症状が出現する理由です。
- 上半身と下半身の温度のギャップ
- 体温の上昇による異常な発汗と乾燥
- こたつに入る前からすでにウイルスに感染していた(うたたね直後から風邪症状)
こたつに入ると下半身は温められますが、上半身は冷気にさらされたままというギャップが生じます。睡眠中は体を休めるための副交感神経の働きで体温が低下しますが、こたつに入ったままで眠ってしまうと、持続的に温められることで副交感神経がうまく働かなくなります。副交感神経は免疫力にも関わっていますので、その働きが悪くなると免疫力が低下して、風邪をひきやすくなるのではないか、というのが1つ目の理由です。
対処法は、上半身にも毛布や布団をかけて、温度のギャップを解消することです。
2つ目は、こたつを使う冬季ならではの、乾燥に強い冬の風邪ウイルスの特徴によるものです。運動をすると体温が上昇しますが、人間の体は汗をかくことで極端な高体温を避けるようになります。睡眠中には前出の副交感神経の働きが優位となり、休息を取ろうとする働きによって体温が低下しますが、体温を一定に保持するためには睡眠中の汗の量も少なくならなければなりません。
ところが、こたつで眠ると体は持続的に温められて、不必要な汗をかいてしまいます。その汗が蒸発すると、肌だけでなく鼻や気管支の粘膜も更に乾燥し、この環境を好む冬の風邪ウイルスが感染を起こしてしまう、というわけです。
この対処法は、マスクなどで粘膜の乾燥を防ぐことですが、うたた寝をしてしまう時にあわててマスクを準備することは難しいですね。
もう1つ、こたつで風邪をひくのには、どうしても避けることのできない大きな理由があります。
次のページで解説します。
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