冷え症と低体温、似て非なる「冷え」対策
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睡眠不足が体温の調節機能を狂わせてしまうかもしれません
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不規則な食生活、睡眠時間が短すぎる(※)、昼夜逆転の生活などは、体のホルモンバランスの乱れにつながります。こうしたことに心当たりがあるようであれば、生活習慣を改善することが対策になります。次のことに心当たりがありませんか?
- 若年者・・・無理なダイエットや夜更かしをしていませんか?
- 中高年・・・毎日ぐっすりと眠れていますか?
食べたエネルギーの大半は、熱の産生に使われています。
無理なダイエットは熱を生み出すためのエネルギー源の不足につながりますし、偏った食事は熱を生み出す効率を悪くします。また、体温は日中を通して変化します。朝起きてから身体活動に伴って体温が上昇し、しばらくすると体温は下がってきます。夜更かしや睡眠の問題も、体のバランスを崩してしまいます。
※睡眠は時間よりもその質が大切です。ナポレオンのように3時間程度でも十分という人もいれば、アインシュタイン博士のように10時間以上も眠っていた、という逸話もあります。このように、睡眠時間の長さでわけたとき、ショートスリーパー(Short
sleeper)、ロングスリーパー(Long sleeper)と呼ばれます。日本人の平均睡眠時間は約6時間、昔と比べると短くなっています。自然に短くなったというよりも、ライフスタイルの変化によって無理をして短くなっているようにも思います。
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周りの人は痩せていると思っているのに、自分では太っていると思い込んでしまう。無理なダイエットをしていませんか?
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病的な低体温の原因として、神経性食思不振症(Anorexia nervosa:しんけいせいしょくしふしんしょう)や甲状腺機能低下症があります。前者は若年の女性に多く、食事や太ることに対する恐怖心のために、ご飯を食べてもすぐに吐いてしまう、健康にとって悪いと自分ではわかっているのにやめることができない、といったものです。
これに対して甲状腺機能低下症は、中高年の女性に多くみられます。決して珍しい病気ではないのですが、冷え性以外に便秘、筋力の低下、日中の眠気など、時には消化器疾患・循環器疾患・精神疾患との区別が難しいことがあるため、診断までに時間を要することがあります。
次のページは、冷え症の対策についてです。
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