しゃっくりを止めるには
しゃっくりは「赤ちゃん返り」 |
例えばお酒を飲んだときにしゃっくりをするが、これはお酒によって脳の抑制が外れる。すると、母体の中で(赤ちゃん)行っていた外界での呼吸の練習である、しゃっくりをするようになるのではないか、という説。
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しゃっくりは、「横隔膜が痙攣するから」「赤ちゃん返りするから(補足参照)」と言われています。近年の研究では、横隔膜の痙攣だけではしゃっくりが生じずに、声を出す器官である声門が閉じるときの動きにも関係していることがわかってきました。
このため、しゃっくりとは、(のどや鼻の奥を走行する)舌咽神経の刺激によって、横隔膜の収縮運動と声門閉鎖運動が協調して生じる現象と説明されます。つまり、
- 呼吸をするために、横隔膜を収縮する運動が起こる
- ところがそれと同時に、神経の異常な刺激によって、空気の通り道にある声門が塞がってしまう
- 呼吸がうまくできない
- お馴染みのしゃっくりが出る
ということです。息を吸い込む運動があるのに(横隔膜)、息の通り道が急にふさがる(声門)、このときに生じるのがしゃっくりです。
しゃっくりがあまりにも長く続く場合、このメカニズムを狂わせるような病気は次のようなものです。
- 心因性……ストレス、神経性食思不振症などの精神疾患
- 中枢神経……脳や脊髄の病気、頭部外傷、脳挫傷(のうざしょう)など
- 末梢神経……心筋梗塞、腫瘍や炎症(食道・胃・肺・すい臓)、横隔膜疾患など
- 代謝性……アルコール中毒、痛風(高尿酸血症)
- 薬剤性……ステロイド、睡眠薬や抗痙攣薬(こうけいれんやく)の一部
この他にも、しゃっくりの原因となりうる病気はいくつもありますが、大きくわけて頭か胸、もしくはお腹の上方にある内臓が原因となります。中高年以降では、脳梗塞を代表とする中枢性疾患、あるいは胃・食道などの消化器疾患に注意してください。
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