白鯨の健康日記 筆者:吉國友和  update:2009.5.29 
           

長引く咳の原因、咳喘息


その1:長引く咳の原因を見極める
その2:咳喘息の特徴的な症状
その3:咳喘息の診断基準、コデインについて


咳喘息(せきぜんそく)とは?
肺活量はどのぐらい?
喘息の診断は、肺機能検査によって行われます。肺活量の他、一秒間に吐き出すことのできる息の量(一秒量・一秒率)、流速などが重要です

長引く咳の中でも、比較的頻度の高いのが咳喘息と呼ばれる病気です。1979年に次のような特徴をもった症例が報告され、その後咳喘息として広く知られるようになりました。

  1. 気管支喘息のような喘鳴がない
  2. 呼吸機能はほぼ正常
  3. 気道が過敏になっている
  4. 気管支拡張剤で咳が消失した

咳を主な症状とし、治療の内容も気管支喘息と似通っているのですが、気管支喘息のような喘鳴(ぜんめい:ヒューヒュー、ゼイゼイ)がないことが1つの特徴です。実際の臨床経過では、気管支喘息に移行する例もあります。


咳喘息の症状

咳喘息の特徴的な症状は次のようなものです(日本呼吸器学会、咳嗽に関するガイドラインより抜粋・改編して引用)。

  • 寝るとき、深夜、早朝に悪化しやすい
  • 風邪をひいたとき、運動をしたとき、雨天に悪化することがある
  • 冷気やタバコも悪化する因子
  • 痰は出ない、出るとしても少量
  • 息を思いっきりはいたときにも、喘鳴は聴取されない(わずかでもヒューという音があれば咳喘息ではない)

こうした特徴や検査所見から咳喘息と診断された場合、咳を鎮めるためには気管支喘息と同様の治療が有効とされています。


次のページは、咳喘息の治療についての説明です。


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