花粉症の時期を前にして、一度きちんとアレルギーの原因を調べたいというご希望が
増えてきました。これを受け、検査そのものは以前から行われているものですが、
このたび株式会社SRLよりアレルギー検査についての情報提供をいただきましたので、
このページでご紹介します。
花粉の飛散する時期(気候・地域によって差があります)。
ハンノキ(1月下旬~4月末)
スギ(2月上旬~4月末)
ヒノキ(3月中旬~5月中旬)
シラカンバ(4月中旬~5月末)
カモガヤ・ハルガヤ・オオアワガエリ(4月上旬~10月末)
ブタクサ・ヨモギ(8月上旬~10月末)
C-PAC 16(特異的IgE疾患別セット)
生活環境の変遷につれ、アレルギーの原因物質(アレルゲン)の種類も増えてきました。
C-PAC 16検査は、文字通り十六種類のアレルゲンを調べるものです。
この検査で調べるアレルゲンは疾患別に原因となりやすいものをセットにしています。
鼻炎・喘息用、小児用、皮膚炎用などがありますが、鼻炎・喘息用と皮膚炎用を下記に
示します。1回の採血で10種類以上のアレルゲンを調べることができます。
もちろん、セット全てを希望されない場合には、アレルゲンとなっている疑いの強い
ものだけを調べることも可能です。また、セット項目以外にも何十種類ものアレルゲンを
確認することもできますので、もし確認したい項目が表にない場合には、その物質が検査
可能かを外来でお尋ねください。
① C-PAC 16(皮膚炎用)
ヤケヒョウヒダニ
(ダニ)カモガヤ 猫のフケ 大豆 スギ ソバ ピーナッツ カンジダ ピティロスポリウム エビ 蛾 鯖(サバ) 小麦 犬のフケ カニ 鰯(いわし)
※ピティロスポリウムとは、正常の皮膚にも存在する常在菌の1種です。
② C-PAC 16(鼻炎・喘息用) 参考:気管支喘息
ヤケヒョウヒダニ
(ダニ)カモガヤ 猫のフケ ユスリカ
(成虫)スギ ブタクサ ハムスター カンジダ ヒノキ ヨモギ 蛾 アスペルギルス ハンノキ 犬のフケ ゴキブリ アルテルナリア
※アニメの影響などでペットとして飼育されることの多くなったハムスターの検査も
含まれています。気管支喘息では、スギ・ダニ・猫のフケなどで陽性となることが
多いです。
※成人気管支喘息ではアレルギーの関与だけでなく、風邪などの感染症も大きな原因と
なることから当科ではアレルゲン検査をすべての患者さんにはお勧めしていません。
ただし、以下のような状況があれば検査を強くお勧めします。
「ペットを飼育し始めたところ症状が悪化した」
「特定の場所に行くと、喘息の症状が出現する」
「(花粉症など)あるシーズンになると毎年発作を起こす」
「イチゴを食べると湿疹ないし呼吸困難感が出現する」
「風邪薬(解熱剤)を飲んだり、シップ薬を貼ったりすると息苦しくなる」
→アスピリン喘息の可能性がありますので注意が必要です。
2007.1.26.