禁煙の失敗を悔やまずに!
その2:家族のタバコをやめさせるには?
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禁煙できないのは誰のせい? |
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タバコを吸いたくなったら、水を飲む…など、自分に合った気分転換の方法を見つけましょう
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肉体的依存、精神的依存、前ページではこうした症状が出現しやすいのは、「3」のつく時と記載しましたが、実際にはこの両者が同時に混在することが多く、肉体的依存症を軽減するために禁煙補助薬などを用いる場合でも、「どうしても吸いたい!」という気持ちを抑えるために、自分に合った気分転換法を見つけることは大切です。
家族あるいは職場など、周りの人の禁煙を支えるためにも同様のことが言えます。少なくとも、禁煙開始直後はできるだけタバコを目の届く範囲に置かないこと、禁煙を開始してイライラしたとしてもそれを責めないこと、などです。離脱症状としてイライラすることもあると思いますが、それはその人自身が悪いのではなく、ニコチン依存症という病気のため、と考えてあげてください。イライラを責めてしまうと、せっかく禁煙しようとしている努力を否定することにつながりかねません。禁煙を始めてから辛そうだな、と思ったら、積極的に会話をするようにしてみましょう。これだけでもずいぶん気持ちが楽になります。
☆ある女性タレントさんの名言!(と、個人的に思っていること)
あるテレビ番組の話ですが、教育学博士であることでも有名な女性タレントのAさんが、思春期のイライラを次のように解説(?)されていました。お子さんにも、毎日そのように言い聞かせていらっしゃったとか。
ア「(思春期を迎える前のお子さんに)あなたは、これから思春期になって、なんとなくイライラするよ。でも、それはあなたのせいじゃない、お母さんのせいでもない、神様のせいでもない。・・・それは、ホルモンのせいよ!」
「・・・」
ア「ホルモンが悪いの! 他の誰のせいでもないのよ!」
「・・・」
ア「悪いのはホルモンだー!」
文面ではニュアンスが伝わりにくいかもしれませんが、Aさんの話術もあって会場は大爆笑でした。でも、これって至言だなぁと思うのです。誰が悪いというものでもなく、「ホルモン」という、ある意味では非常に抽象的な言葉によって、誰もが納得できる理由となったのではないでしょうか。禁煙でイライラするのも、同じことだと思いませんか?
喫煙者が悪いのではないし、タバコの会社が悪いのでもない、ましてやタバコ農家だって同じこと、悪いのはタバコの「成分」!
肉体的な依存症に対しては、禁煙外来では禁煙補助薬を用いることが多いです。もちろん、薬品を使わなくとも、ご自身の決意だけで禁煙に成功されることも少なくはありません。簡単に治療(対策)を例示します。
肉体的依存症・・・禁煙補助薬が比較的有効。
(禁煙外来で用いる薬剤・禁煙外来にかかる費用はこちらでも詳しく説明しています)
① ニコチンガム
どうしても吸いたいときだけ噛む。市販薬で保険は効かない。
② ニコチンパッチ(商品名:ニコチネルTTS)
大きさは10/20/30の3通り。最大の30にはニコチンが52.5mg含有されており、
ヒトにとっては1日当たりタバコ20本の喫煙に相当すると言われている。
禁煙外来を実施している医療機関の一部では保険適応で処方可能。
10ないし20の製剤は市販の薬局で購入することもできる(この場合、保険は効かない)。
③ 受容体作動薬(商品名:チャンピックス)
内服薬で、禁煙成功率を3倍程度に高めるとされる。医療機関での処方が
必要(保険適応)。
ニコチンをまったく含有せず、脳に直接働きかけてタバコを欲しいという気持ちを
生じさせなくする医薬品。
精神的依存・・・タバコを吸いたいと思った時の気分転換(例)
① 冷たい水を飲む
② 野菜をかじる
③ 歯ブラシで歯ぐきを刺激
④ 飴玉をなめる
⑤ 屋外で空気を吸う(散歩に出かける)
禁煙する最後の決め手は自分自身、とよく言われます。それも1つの解答だと思いますが、周囲の手助けがあるのとないのとでは、異なった結果に至ることもあります。禁煙をしようという自身の思い、それを支えようとする周りの想い、禁煙成功率はこうしたことで高まります。
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