白鯨の健康日記 筆者:吉國友和  update:2009.6.16 
           

カビのアレルギーで肺炎に


その1:過敏性肺臓炎の種類、原因物質
その2:過敏性肺臓炎の特徴(症状・治療)


過敏性肺臓炎とは?
咳が続く
毎年なぜか梅雨から夏にかけて咳が出る・・・カビによるアレルギーかも!

風邪や肺炎などの感染症は一年を通して見られる病気ですが、一般的には冬場に多い傾向があります。その反対に、梅雨から夏にかけて多くなる特殊な肺炎もあります。過敏性肺臓炎と呼ばれるものです(過敏性肺炎と呼ぶこともあります。その理由は次のページに)。

過敏性肺臓炎は通常の感染症ではなく、アレルギーによって肺に炎症を生じた状態です。本来は体を守るための免疫が、過剰に働くために自分自身を傷つけてしまうのです。原因となる物質としては、カビ、干草、穀類、鳥のフンなどの有機粉塵があります。こうした物質を繰り返して吸い込むうちに、体の免疫細胞に異物を追い出そうとする反応が起こり、結果として過敏性肺臓炎を起こします。特にこの季節に多くなるのが、カビによる過敏性肺臓炎です。


過敏性肺臓炎の原因物質

過敏性肺臓炎には原因によって更に病名が細かく分類されます。このうちもっとも多いのが、居住環境中のカビ(トリコスポロン:Trichosporon)による夏型過敏性肺臓炎です。特に西日本に多く、古い日本家屋やお風呂などの水周りに繁殖したカビを、日常的に吸い込んでしまうことで肺の中にアレルギー反応が生じます。

過敏性肺臓炎の4分の3がこの夏型過敏性肺臓炎ですが、その他の過敏性肺臓炎には、原因物質別に次のような病名があります。

  1. 夏型過敏性肺臓炎・・・環境中のカビ、西日本に多い
  2. 農夫肺・・・かびた枯れ草、穀物類、北海道に多い
  3. 鳥飼病(とりかいびょう)・・・トリの排泄物
  4. 加湿器肺・・・加湿器に繁殖したカビ
  5. 薬剤・・・抗生物質(ミノサイクリン)、漢方薬など



次のページは、過敏性肺臓炎の症状と治療についての解説です。


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